スペインにある巡礼のルートが知りたい！聖ヤコブの眠る大聖堂へ

スペイン旅行というとマドリードやバルセロナそれに南部のアンダルシア地方に行くことが多いと思いますが、スペインは北部も魅力にあふれています。

その中でも特筆すべきなのはサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂を目指すCamino de Santiago(カミノ・デ・サンティアゴ)という巡礼の道です。

この由緒正しいパワースポットには今でも世界中から巡礼の旅をする人が集まり、日本からも毎年沢山の人が訪れているんですよ。

日本でいうお遍路のようですが、スペイン北部の街並みとカトリックの文化を辿る巡礼路はカトリック教徒でなくても歩いてみたくなりますよね。

サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼の道

巡礼のルートは？

サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼の道といえば、何といってもフランスからつながるフランス人の道(Camino Frances)が有名です。

この道はスペインとフランスの国境であるピレネー山脈のフランス側からイバニェタ峠かソンポルト峠を超えてスペイン北部を横断する全長800㎞以上もの道のりです。

全部を歩こうと思うと1か月前後はかかる距離ですが、歩き切った時の達成感は忘れられない思い出になるようです。

ただこのご時世1か月もまとまった休みが取れないという人も多いですよね。

でもこの道は全部を歩くのではなく最後の200㎞だけというように距離を調節する人も結構いるので、自分の都合に合わせて参加することもできますよ。

下記のサイトに全ルートがわかる地図があるので参考にしてみてください。

巡礼ルートのマップ
http://mapacaminosantiago.es/

ポルトガルからの道やマドリードを出発点にする道それにスペインの北海岸から南下する道など、どの道を選ぶかで周りの景色が全然変わってきます。

フランス人の道を歩いてカミノ・デ・サンティアゴの魅力にはまったなら、ぜひ他の道にもトライしてみてくださいね。

巡礼者の印はホタテ貝の貝殻

カミノ・デ・サンティアゴの巡礼の道を行く巡礼者たちはみんなホタテ貝をリュックや杖に付けています。

なぜ巡礼者たちがホタテ貝を身に付けるようになったのかについては色々な説があるようですが、はっきりした理由はわかっていないようです。

ただこれはかなり昔から続ているようで、今ではこのホタテ貝がカミノ・デ・サンティアゴのシンボルのようになっています。

巡礼路を歩いていると所々にホタテ貝をあしらった標識があったりと、道中ではホタテ貝を色々なところで見かけることになりますよ。

徒歩じゃないとダメ？

巡礼というと何となく自分の足で歩いていくというイメージがあると思います。

確かにカミノでは未だに徒歩でサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す人が多いですが、自転車や馬車をつかう人もいるんですよ。

カミノ・デ・サンティアゴの歩き方

個人で

カミノ・デ・サンティアゴの巡礼の道は個人で簡単に参加することができます。

公式に巡礼するために必要なものはクレデンシャル(La Credencial)と呼ばれる巡礼手帳だけです。

クレデンシャルは巡礼者のための格安宿泊施設であるアルベルゲ(Albergues)に泊まる時や巡礼証明書(La Compostela)を発行してもらう時に必要になります。

クレデンシャルは巡礼路にあるアルベルゲや観光案内所で発行してもらえる他、日本でもNPO法人の日本カミ―ノ・デ・サンティアゴ友の会が発行しています。

現地で調達するより日本から持っていく方が安心という方は下記のサイトをチャックしてみてくださいね。

日本カミ―ノ・デ・サンティアゴ友の会　クレデンシャル発行申し込み
http://www.camino-de-santiago.jp/credential/get.html

クレデンシャルには本のようになっていて中にスタンプを押す欄があり、巡礼路にある教会や観光案内所それにアルベルゲでスタンプを集めながら歩みを進めていきます。

後に証明書を発行してもらう時、このスタンプは実際に巡礼路を徒歩や自転車で走破したことを証明する証になるので忘れないように注意しましょう。

ツアーで

カミノ・デ・サンティアゴを歩くにはツアーに参加するという方法もあります。

ツアーだと巡礼路での自由度は下がるものの、ガイドさんがいたり荷物をバスで運んでくれたりホテルに泊まれたりするので気軽に巡礼に挑めるという面もあります。

下記の旅行会社がカミノ・デ・サンティアゴを巡礼ツアーを発売しているので、気になる方はチェックしてみてください。

阪急交通社　＜イベリア航空利用＞聖地へ続く道１００ｋｍを歩くスペイン巡礼の旅１０日間
http://www.hankyu-travel.com/crystal/tyo-i/tour/LE105/

VELTRA　サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路ハイキングツアー 7泊8日＜車＋アシスタント／日本語＞ | スペイン（マドリード）旅行の観光・オプショナルツアー予約(マドリード発)
https://www.veltra.com/jp/europe/spain/madrid/a/148382

持ち物やおすすめの時期は？

巡礼の道を徒歩や自転車で進んで行くには、持ち物は最低限のものをできるだけ軽くまとめるのが理想です。

バックパックを背負った時にあまり負担にならないように、荷物は10キロ前後にまとめるようにしましょう。

服装はウォーキングシューズとハイキングや登山をする時のようなウエアがおすすめです。

小雨が降っても対応できるように靴やジャケットは防水タイプの方が安心ですよ。

また巡礼のおすすめの時期はフランス人の道なら真冬以外のシーズンならいつでも大丈夫です。

スペイン北部の真夏は他の地域に比べて涼しいので、ウォーキングも挑戦しやすいです。

ただスペインの南部や内陸部を通るルートの場合は、真冬に加えて真夏も避けた方が無難です。

証明書を発行してもらおう

上でも少し触れましたが、カミノ・デ・サンティアゴを徒歩か自転車または馬車で辿ると巡礼証明書(その名もLa Compostela)を発行してもらえます。

こう書くと巡礼ルートの最初から最後まで看破しないといけないのかと思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。

ルートをゴールのサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂から逆算して、徒歩では100㎞自転車と馬車では200㎞から証明書をもらうことができます。

この距離かそれ以上を歩いた人はサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂にある巡礼事務所に行って、クレデンシャルを提示してください。

この時に巡礼ルートをどれくらい歩いたかの証明になるのがクレデンシャルの中のスタンプです。

カミノ・デ・サンティアゴの起源

カミノ・デ・サンティアゴとそのゴールであるサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂は中世からずっと訪れる人が絶えない信仰の対象です。

なぜこの場所がカトリック教徒の人たちにとってこんなにも大切なのか、その理由や起源が気になるという人もいると思います。

サンティアゴというのはイエス・キリストの12使徒のひとりである聖ヤコブのスペイン語名です。

12使徒の中でも聖ヤコブというとイエス・キリストに最も近い3側近の一人で、最初に殉職した12使徒メンバーです。

エルサレムでユダヤ王に殺められたヤコブの遺体は弟子たちによって船に乗せられ、スペインの地へ流れ着いたと言われています。

そしてそれからずっとヤコブのお墓がどこにあるのかわかっていなかったのですが、なんと9世紀になってサンティアゴ・デ・コンポステーラの地で発見されました。

ヤコブのお墓の上に当時のスペイン王が建設したのが、サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂です。

そしてそれ以来この大聖堂は聖ヤコブが眠る場所として世界中のカトリック教徒が集まる巡礼地となり、今でも毎年約10万人の巡礼者を集めています。

それにしても生前スペインで熱心に宣教して周っていたヤコブとスペインの間の不思議な縁を感じるエピソードですよね。

まとめ

• カミノ・デ・サンティアゴのルートはいくつもある
• その中でもフランス人の道が一番有名
• 巡礼路のトレードマークはホタテ貝
• 巡礼路ではクレデンシャルにスタンプを押そう
• クレデンシャルがあるとアルベルゲという宿に安く泊まれる
• 個人で参加もツアーで参加もできる
• 徒歩で100㎞、自転車と馬車で200㎞行くと巡礼証明書がもらえる
• ゴールのサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂には聖ヤコブの亡骸が祭られている

サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂はエルサレムとサン・ピエドロ大聖堂とともにカトリックの3大巡礼地とされています。

またカミノ・デ・サンティアゴの一部や大聖堂を含むサンティアゴ・デ・コンポステーラの旧市街は世界遺産にも登録されています。

カミノ・デ・サンティアゴの巡礼はスピリチュアルな巡礼と、宗教的・文化的価値のあるモニュメントの観光両方を味わえてしまうかなり贅沢な時間です。