2012年に不動産バブルがはじけたことが原因で経済危機に直面したスペインは、失業率の高さが社会問題になりました。

その後スペインでは政権交代などが起こり真剣に不況対策に乗り出したため徐々に景気は回復し、それに伴って失業率も改善してきています。

それでも日本と比べるとまだまだ失業率は高く、わたしたちのような外国人はもちろん地元の人でも仕事選びに四苦八苦しています。

でもスペイン語を勉強している人の中には、スペインで仕事をするという夢を持つ人も多いのではないでしょうか。

ポイント

そこでここでは将来スペインで勉強して現地でそのまま就職したいと考えている人のために、スペインの最新の失業率や傾向を説明したいと思います。



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スペインの最新の失業率

shitsugyou

スペインの2018年7月に発表された今現在で最新の失業率は15.1%です。

近年の失業率の数位をグラフで見ると経済危機の翌年2013年に記録した26.4%にから徐々に改善していき、2016年に20%を切ってからさらにどんどん下がってきています。

といっても日本の2018年8月の失業率2.5%と比べるとまだまだ高いですよね。

日本の現在の失業率は世界的に見て驚異的に低いので比較するのは少しかわいそうなのですが、では欧州連合全体の失業率と比べるとどうなのでしょうか?

欧州連合全体の失業率は2018年2月で7.1%なので、やっぱりスペインは経済危機からまだ完全に脱出できず失業率もかなり悪いことがわかりますよね。

スペインの国内総生産(GDP)は世界14位でヨーロッパの中でもトップ5に入ります。

なのにもかかわらずこんなにも失業率が高いのはやはり大問題といえるのではないでしょうか。

スペインの失業率のデータ
https://datosmacro.expansion.com/paro/espana

スペインと欧州パ連合の失業率推移のグラフ
https://www.google.es/publicdata/explore?ds=z8o7pt6rd5uqa6_&met_y=unemployment_rate&hl=ja&dl=ja#!ctype=l&strail=false&bcs=d&nselm=h&met_y=unemployment_rate&fdim_y=seasonality:sa&scale_y=lin&ind_y=false&rdim=country_group&idim=country_group:eu:non-eu&idim=country:es&ifdim=country_group&hl=ja&dl=ja&ind=false



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スペインの失業率の特徴

若者に失業者が多い

スペインの失業率の特徴として一番深刻なのは、若い世代に失業者が多いことです。

上でURLを紹介しているスペインの失業率のデータを詳しく見ていくと、25歳以下の失業率はなんと33.4%もあります。

若い人の場合、仕事をしている両親と同居していれば長いこと就活中でも衣食住に困ることはないかもしれません。

でも若者が仕事もなく将来の生活に見通しが立てられないような状態なのはどう考えても問題です。

早急に解決しないといけない問題であるものの、なかなか良くなっていく見通しは立っていないようです。

アンダルシア地方に失業者が多い

全体で15.1%というスペインの失業率ですが、実は地域によってかなり差があります。

下記のスペインの地域別失業率のランキングを見てみると、パルマ島やイビサ島のあるバレアレス諸島やマドリード自治区では失業率が5%前後とかなり低いです。

逆に失業率が高い方のランキングではほとんどがアンダルシアの都市です。

4万人以上の人が暮らす街で失業率が30%を超えているのは大問題でしょう。

なぜこんな状況なのかと言うとアンダルシア地方は広大で人口も多いのですが、たくさんの雇用を生んでくれる産業があまりありません。

盛んなのは農業と観光業なのですが、なかなかこれだけでは多くの人に仕事がいきわたるのが難しく厳しい状況がずっと続いてます。

スペインの地域別失業率のランキング
https://datosmacro.expansion.com/paro/espana/municipios

スペインの失業率が高い理由

スペインの失業率が高い一番の理由は製造業などの大きな雇用を生み出す分野で成功している会社がほとんどないことでしょう。

2000年代に住宅バブルが到来してこのころは建設業が盛んだったものの、バブルがはじけてからはここから逆に大量の失業者が出ています。

アンダルシアで失業率が特に悪い原因でもあげましたが、もともと盛んだった農業や今や主要産業になりつつある観光業だけではなかなか雇用がいきわたりません。

またバブルの頃に移民がたくさん流入したことも失業率を上げる要因になったといわれています。

困

人口に対して仕事の絶対が少ないというのはなかなかシビアな問題ですよね。

★スペインでの仕事探しについてもっと詳しく知りたい方へ
下記の記事でスペインで日本人が仕事を探す方法や求人の状況などを詳しく解説しています。よかったら参考にしてください。
スペインで日本人が仕事探し!就職できるのか?

まとめ

  • スペインの最新の失業率は15.1%
  • ヨーロッパの国の中でも高い水準
  • 25歳以下の若い人の失業率が特に高い
  • 地方差もありアンダルシア地方で失業率が高い
  • 製造業が盛んでなく人口に対して仕事の数が少ない

スペインの失業率は最悪の状態からは改善してきているものの、まだまだ高い水準をキープしています。

景気は良くなってきている感があるものの、他の欧州の主要国のような失業率になるのはまだまだ時間がかかりそうです。

こんな状況なのでスペインの人も将来について不安を口にしているものの、暗くなりすぎずなんだかんだで日々の生活を楽しんでいるのは素敵だなと思います。

今のところスペインで仕事を探すのは大変ですが、この先スペインの失業率がなんとかEUの平均くらいになってくれることを祈りましょう。



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