ヨーロッパ旅行の楽しみの一つに大聖堂の見学がありますよね。
カトリック文化の象徴でもある大聖堂は歴史的にも芸術的にもとても重要なもので、日本と西洋の文化の違いをさまざまと感じます。
スペインでも大都市には必ず大聖堂があり、その街のシンボル的存在になっています。
でもスペイン中にたくさんあるからこそ、どの大聖堂がより見ごたえがあるのか、ガイドブックを眺めていてもなかなかわかりませんよね。
また大聖堂の入場料は結構高いので、中を見るのは何ヶ所かに絞りたいという人もいるかもしれません。
ここではスペインで特におすすめの大聖堂が見たいという人のために、世界遺産に登録されている大聖堂を紹介していきたいと思います。
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スペインにある世界遺産の大聖堂
それではスペインで絶対に見逃せない、世界遺産に登録されている大聖堂を紹介していきたいと思います。
ブルゴス大聖堂
ブルゴスはスペイン北部のカスティーリャ・イ・レオン州の州都で、そこにある聖母マリアに捧げられた大聖堂(カテドラル)が1984年に世界遺産に登録されています。
13世紀に建設が始まり16世紀に完成したものの、途中200年程は工事が中断していたといいます。
建設を担当したのはフランス人やドイツ人の建築家で、確かに正面の尖塔やバラ窓にフランスっぽさが見られます。
巨大でちょっとユニークな尖塔が目を引く壮大な外観ですが、建物に施された装飾は緻密さを極めます。
元帥の礼拝堂やステンドグラス等、内部も見ごたえがありますよ。
スペインにあるゴシック様式の大聖堂の中でも特に美しいものの1つと称えられています。
セビリアの大聖堂
スペインで一番、世界でも3番目の大きさを誇るセビリアの大聖堂は1987年に世界遺産に登録されています。
スペインのアラブ支配時代にモスクがあった場所に15世紀から建設されたもので、大聖堂に並んで立つヒラルダの塔は元々はモスクのミナレットでした。
塔以外にも敷地内にはオレンジの木の中庭があったりと、ゴシックとルネッサンスが混ざり合うその大聖堂にモスクの面影を見ることができます。
セビリアの大聖堂の一番のすごさはやはりその大きさで、実際目にするとその迫力に驚くと思います。
広大な内部には黄金の主祭壇やコロンブスの墓それにムリーリョの絵画などの見どころが目白押しです。
ヒラルダの塔の頂上から眺めるセビリアの街並みの美しさにも酔いしれてみてくださいね。
下記の記事でセビリアの見どころや観光情報について詳しく紹介しています。よかったら参考にしてみてください。
>スペインのセビリア観光ポイント!現地人が教えます
トレドの大聖堂(古都トレド)
1986年に旧市街が丸ごと世界遺産に登録されたトレドの大聖堂は、スペイン第2の大きさでスペインカトリック教会のトップに君臨しています。
13世紀に着工されたこの大聖堂はゴシック様式にスペイン独自のムデハル式が加わった建築様式になっています。
内部も相当豪華なつくりになっていてナルシソ・トメによる彫刻の傑作「トランスパレンテ」や聖体顕示台それに聖歌隊席は必見です。
またトレドを愛した画家、エルグレコの作品も多数展示されていますよ。
このトレドの大聖堂と上で紹介したブルゴスとセビリアの大聖堂でスペインの3大大聖堂と言われています。
マドリードの大聖堂がまだ新しくてあまり見ごたえがないので、マドリード中心に観光する方はトレドの大聖堂まで足を伸ばしてみるのをおすすめします。
下記の記事でトレドの見どころや観光情報について詳しく紹介しています。よかったら参考にしてみてください。
>トレドはスペインの観光でおすすめのスポット!美しい町は必見
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サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂(サンティアゴ・デ・コンポステーラ(旧市街))
1985年に世界遺産に登録されたサンティアゴ・デ・コンポステーラ旧市街にある大聖堂はフランスからピレネーを超えてスペイン北部を横断する巡礼路の終着点です。
9世紀に殉職した聖ヤコブの亡骸を埋葬するために建てられたと言われているだけあって、その佇まいには凄みさえ感じます。
11世紀に建設が始まった比較的古い大聖堂ですが、12世紀初頭に完成いてから何度も増改築されています。
集まった巡礼者の頭の上に巨大な大香炉を振りまくボタフメイロの儀式にはぜひ参加したいですよね。
下記の記事でサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼ルートについて詳しく解説しています。よかったら参考にしてみてください。
>スペインにある巡礼のルートが知りたい!聖ヤコブの眠る大聖堂へ
コルドバの聖マリア大聖堂(コルドバ歴史地区)
コルドバ歴史地区の一部として1984年に世界遺産に登録された聖マリア大聖堂と聞いてもいまいちピンと来ないかもしれませんが、これは実はメスキータのことです。
ミナレットや内部の円柱の森の印象が強いためモスクだと思ってしまいがちですが、レコンキスタ後の16世紀にモスクから大聖堂に改築されています。
その時に内部に造られたカトリックの聖堂部分とその周りに無数に連なる円柱の森のコントラストは神がかっています。
世界中に同じものはもちろん似たものすら存在しない、唯一無二の大聖堂です。
下記の記事でメスキータまでの行き方について詳しく紹介しています。よかったら参考にしてみてください。
>コルドバのメスキータへの行き方は?楽チンな経路を紹介!
大聖堂と教会の違い
ここまで世界遺産に登録されている大聖堂を紹介してきましたが、もしかするとあの有名なサグラダ・ファミリアがないじゃないかと思った人もいるかもしれません。
でもサグラダ・ファミリアは教会で大聖堂ではないんです。
バルセロナにはサグラダファミリアとは別に大聖堂があり、世界遺産には登録されていないものの端正な外観を有して人気の観光地になっています。
こう言うと大聖堂と教会って一体何が違うのか気になりませんか?
ここでパッと思い浮かぶ違いは“大きさ”かもしれませんが、でも建物のサイズはあまり問題ではありません。
大聖堂と教会の違いは“司教”がいるかどうかです。
カトリックの大聖堂や教会には神父さんがいますが、神父さんの地位は高い方からっ司教・司祭・助祭という3つに分かれています。
一番地位の高い司教のトップはローマ教皇でローマ教皇を支える枢機卿も司教から選ばれます。
大聖堂は司教座聖堂とも呼ばれ司教を有し、その地域の教会を統括しています。
大聖堂と教会の違いは中にいる司祭さんのランクの違いなんですよ。
まとめ
- ブルゴス・セビリア・トレドの大聖堂はスペインの3大大聖堂
- トレドの大聖堂はスペインカトリックのトップ
- サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂は巡礼の終着点
- メスキータは世界に2つとない大聖堂
スペインの大聖堂を紹介してきましたが世界遺産だけをピックアップしただけあって、どれも規模・芸術性ともに素晴らしいものばかりです。
イタリアやフランス等ヨーロッパの国にはどこにも壮大な大聖堂がありますが、イスラム文化のエッセンスが入った建築様式はスペインならではです。
またどれだけ壮大で精巧な装飾が施されていても、なぜかちょっと田舎っぽさというか粗削りな感じがするのもスペインの大聖堂の魅力だったりします。
また世界遺産には登録されていませんがバルセロナやレオンそれにパルマの大聖堂も魅力的ですよ。
時間があればぜひ足を伸ばしてみてくださいね。
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